山北町には酒匂川(さかわがわ)という川が流れています。この川は静岡県と神奈川県を流れていて、静岡県の方では鮎沢川と呼ばれています。
山々を抜けて足柄平野を下り、相模湾に注いでいるこの川は、左上方から右下方にかけて弧を描くように膨らんでいます。昔はもっと河道が何本にも分かれていたのですが、平野の耕地を潤すために今の形になったのだとか。
こうやって川の流れをコントロールするために堤防が作られたのは今から約300年前、江戸時代のことです。富士山の宝永大噴火により堤防が決壊したり、大雨によって洪水・氾濫を繰り返したりなど、酒匂川と周辺地域は数多くの水害に見舞われてきました。そのような災害から人命や家屋を守るために、三角土手や霞堤など、昔から様々な工夫がなされてきたそうです。
そんな歴史がある酒匂川では渓流釣りが盛んです。夏場は川遊びができる場所もあります。山北に訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
(井手美由希)