温かな弁当を開けると、最初に目に入るのは弁当箱の3分の2を占める大きなヤマメ。他にも、から揚げやきんぴらごぼう、芋の煮っころがし、そぼろ、金時豆の甘煮、八朔などぎっしりと詰められている。ヤマメは、頭や背骨まで丸ごと食べられるほど柔らかく、甘辛く煮られていた。甘辛い煮汁が下のご飯に浸み込んで、それもまた美味しい。頭や身などの部位により食感や味が少し異なっているのも魅力の一つである。芋の煮っころがしは、味とほくほくとした食感が懐かしさと安心感を提供してくれる。から揚げは、お弁当に入っていたが、衣と皮とパリパリとした食感を楽しめた。そぼろは、甘めの味付けのおかずが多い中で、塩味と肉の旨味がご飯に合うおかずだった。八朔はハリがあり、とてもみずみずしくて酸味が爽やかで美味しかった。このように、みほ弁は味や食感、素材と三保の様々な魅力がたくさん詰まったお弁当だった。

(山際七莉)